ライフ

災害時の工夫料理、ポリ袋でご飯を炊きカレーを作る方法

魚缶のトマトカレー

 大きな災害が起こると、インフラの停止やライフラインの寸断により、普通の生活ができなくなる。食事もしかり。電気が使えない、ガスが使えない、水が出ない…。

 簡単な料理ですら困難になる。そんな時にパニックにならないよう、普段から家族でシミュレーションしておくことが重要だ。

「特に小さなお子さんがいらっしゃるかたは、子供と一緒に防災料理を覚えると、災害時に子供が率先して動けるようになります。また、家族だけでなく地域のかたがたと定期的に防災料理会などを開いて備えておくと、いざという時に地域で連携して災害を乗り越えることができます」

 そう語るのは、防災クッキングアドバイザーの地曵美香さん。地曵さんは「災害時だからこそ、おいしく栄養のある料理が必要」と言う。

「被災して毎日レトルト食品では、精神的にナーバスになります。災害時だからこそ栄養のバランスがとれて、だれもが『おいしい』と感じる料理でなくてはなりません。特に小さな子供が喜んで食べてくれる料理が理想的ですね」

 そこで地曵さんが提案するのが、子供が遊び感覚で学べるポリ袋防災料理。粘土遊びのように楽しめるので、家族で一緒に学んでいただきたい。

 防災料理用具として備えておきたいのが熱に強い料理用ポリエチレン袋。米を炊いたり食材を混ぜたりと、調理全般で役に立つ。また食器洗いの手間が省け、貴重な水を最小限におさえることができるのも魅力の1つだ。

「ポリ袋を使えば、湯煎した時のお湯を何度も再利用できます。また、子供も楽しみながらできるので、災害時のストレス解消にもつながります」

 注意点は湯煎後のポリ袋の開閉作業。袋を雑に開けると熱湯が飛び散る場合もあるので慎重に行いたい。この作業は大人がやるとよいだろう。

◆ポリ袋でご飯を炊く
【1】台所シンクの三角コーナー水切り袋を、防災用品として常備しておく。米など食材を洗う時に役立つ。
【2】米を水切り袋に入れて洗うと、水を捨てずにすむ。貴重な水は、食器を洗う時などに再利用したい。
【3】加熱できる調理用ポリ袋に米を入れて炊く。ポリ袋は破れ防止のために2枚重ねること。
【4】蓋のない鍋で炊く場合は、炊け具合を確認しながら加熱時間を調整。

【材料】2~3人分
白米…2合(1合ずつポリ袋に入れる)
水…320~340cc(1合160~170cc)

【炊き方】
【1】ポリ袋(破れ防止のため2枚重ねる)に白米1合と水を入れる。
お米は必ずポリ袋に1合ずつ入れて湯煎すること。1つの袋に2合入れて湯煎すると、米が膨張して失敗する。
【2】ポリ袋内の空気を抜いて、袋の口を結ぶ。もう1合も同じように作る。
【3】鍋で沸騰させた湯に【2】を入れて蓋をし、弱火で約25分加熱。火を止めて5~10分蒸らせば出来上がり。

◆ポリ袋で作る「魚缶のトマトカレー」

【材料】2~3人分
魚のみそ煮缶(さば、もしくはさんま)…1缶(約145g)
トマト缶…1缶(約400g)
カレールー…4かけ

【作り方】
【1】材料をすべてポリ袋(2枚重ね)に入れる。
【2】袋の上から揉むようにして魚の身をほぐし、ポリ袋内の空気を抜いて、袋の口を結ぶ。
【3】鍋で沸騰させた湯に【2】を入れて蓋をし、弱火で約25分加熱。火を止めて5~10分蒸らせば完成。

撮影/茶山浩

※女性セブン2019年3月21日号

関連キーワード

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン