高校受験では近年、中学のある私立高より高校単独校の人気が高い。入学時に全員が同じスタートラインに立つことが好まれているからだ。
10年前にMARCH合格者ゼロから205人になったのは、東京都市大等々力だ。元は女子校の東横学園中高で、2009年に武蔵工業大が東京都市大に名称変更し、あわせて現校名に変更した。翌2010年に共学部を設置し、そこから実績が伸びた。昨年は東大に合格者を1人送り出している。中学入試の人気校で、志願者は3000人を超え、首都圏の中学受験の志願者ランキングでは6位に入っている。
一方、公立では神奈川の高校が、合格者を伸ばしているのが目立つ。柏陽、川和、大和、厚木などだ。東京と同じように、神奈川でも高校の学区を撤廃したことが大きいようだ。
この他でも10年前には卒業生が出ていない公立中高一貫校の合格者も多い。MARCHの合格校の顔ぶれが様変わりしていることは確かなようだ。
●文/安田賢治(大学通信 常務取締役)