「水を通じた地球上の絶妙な熱バランスが……現在脅かされています。何が原因でしょうか。地球の温暖化と気候変動です。……我々が、今何も対策を立てなければ、等比級数的に被害が激化していくことが懸念されます。水災害により、私たちの先代が重ねてきた発展のための努力の成果がわずか数日、場合によっては数時間で消し飛んでしまいます。こうした地球規模で発生する自然の脅威に対抗するため、国際社会は結束していく必要があります」(平成30年3月19日)
殿下のご発言は世界各国の専門家たちの胸に強く響いている。ご即位後は、これまでの天皇にはなかったスケールでのご活躍も期待できるのではないか。
●たかもり・あきのり/1957年、岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。日本文化総合研究所代表。國學院大學講師。神道宗教学会理事。『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)、『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)など著著多数。
※SAPIO2019年4月号