ビジネス

外食で進む脱ワンコイン コスパ最強「かつや」のメニュー

消費者はちょい高でも「価値」を求めるようになっている

消費者はちょい高でも「価値」を求めるようになっている

 デフレ全盛期の外食チェーン、とりわけファストフード店は安さを求める消費者に応えようと、ワンコインの500円をひとつの価格基準にメニュー開発を行ってきた。だが、近年は人手不足や原材料高、来るべき消費増税などの対策もあり、値上げも含めた「脱ワンコイン化」が加速している。そこで、フードアナリストの重盛高雄氏が、「“ちょい高”でもコスパ最強の外食メニューBEST3」を挙げる。

 * * *
 かつて、安さが代名詞であるファストフードは、500円を超えると売れない「デフレ時代」が長らく続いた。消費者が外食にかける1食の価格帯がワンコイン以内であって、店側もとにかく低価格にしなければ支持されないと、格安メニューの開発が商品戦略の中心となっていた。

 ところが、商品の安さと同時に、食の安心安全を脅かすような事件が頻発したこともあり、「安かろう悪かろう」が正しく認識される時代となった。安いものにはワケがある。それが理解できる商品しか売れなくなっていった。つまり、消費者のほうが商品の品質や価格の妥当性に敏感になり、賢くコストパフォーマンスを考えるようになったのである。

 商品の持つ価値と価格設定がほぼパラレル(並列)であることが求められる時代──。もはや、回転率や原価率を高く設定するビジネスモデルが人気を博したのも、ひと昔前の潮流になりつつあるようだ。

 そこで、店側はますます価格設定に頭を悩ませている。たとえば、人件費や原材料費の高騰を理由に販売価格の値上げもやむなしの昨今とはいえ、単なる価格の値上げは客離れに直結する。

 古くは同じ商品が地域により販売価格が異なる「地域価格」を設定した日本マクドナルドが、早晩価格戦略の見直しを迫られた。また、最近では一律値上げで業績不振に陥った鳥貴族も然り。消費者に継続しておトク感を与えられる“一味”がなければ、値上げによる売り上げ増は見込めない。

 さらに、今年の10月には消費税増税が控えている。コンビニや外食チェーンなどの飲食料品は持ち帰れば軽減税率が適用されて従来の税率8%のままだが、店内で食べれば10%の消費税がかかる。これにより持ち帰りの客が増えたとしても、当然ながら店側には梱包資材などのコストが余計に必要となり、企業業績に直結する支出増となる。また、キャッシュレス決済に対応することで消費者へのポイント還元なども予定されているが、店にとってはキャッシュレス時代への対応コストも膨大になる。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン