ビジネス

北野唯我氏が語る「天才に叶わない秀才と凡人の生存戦略」

日本企業で「天才型」から「秀才型」への移行が起きていると語る北野氏

日本企業で「天才型」から「秀才型」への移行が起きていると語る北野氏

 春は職場や学校で環境が変わる季節。新しい組織、新しい人間関係に期待と不安を膨らませている人も多いのではないか。組織において自分を活かすためにはどうしたらよいのか。あるいは仲間の才能を活かすためには? そもそも才能とは何なのか? 新刊『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩むすべての人へ』が8万部を突破、現在、複数社のIT企業で役員を務める北野唯我さんに聞いた。

* * *

◆「凡人」のなかにも、「天才」はいる

──『天才を殺す凡人』とは、刺激的なタイトルです。しかし読むと、この本の主眼は人間を「天才」「秀才」「凡人」の3種類に分類すること以上に、それぞれの軸となる要素「天才=創造性」「秀才=再現性」「凡人=共感性」を提示することにあると感じました。

北野:才能論の本はすでにたくさん出ていますが、才能を、仕事に活かせる要素に落とし込んでいるものは少ないと感じていました。「創造性」「再現性」「共感性」という3つの要素を提示することで、ほとんどが説明できると考えたのです。

 そしてこれは本にも書きましたが、どんな人でも、どれか1要素だけを持っているわけではない。僕はよくポケモンに喩えるのですが、ポケモンに攻撃力、防御力など、様々な力があるように、すべての人に3つの要素はあるんですね。ただ、配分の割合が違ったり、フェーズによって前面に出てくる能力が違ったりすることで、その人の「才能」とは何かが決まってくると考えています。

──本書には、「天才」「秀才」「凡人」の3パターン以外にも、彼らを支えたり、あるいは殺すかもしれない存在になる要素(全9パターン)が登場します。自分のみならず、周囲を分類する面白さがあります。

北野:はい。ただこの本のテーマは、分類して境界線をつくるように見せかけて、境界線を解かしていくことなんです。自分は「凡人」だと決めてつけていた人に、自分のなかにも「天才」がいると気づいてもらう。あるいは、会社やクラスで変わり者とされている人に対して、彼の天才性がそうさせているんだなと、仲間を理解するきっかけになったらいいなと考えています。

 そうした、境界線を解かすというテーマの象徴として、「犬」を登場させました。

──主人公を導く存在となるハチ公ですね。

北野:そうですね。あれは犬しかあり得なかったし、犬で正解だったと僕は思っています。アマゾンには、「犬が微妙」だからと星3つのレビューがありましたが(笑)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン