単なる”代酒”ではなく、小規模醸造所が自社ウイスキーを活用して新たな商品開発につなげるケースもある。先月、富山県砺波市の若鶴酒造が発売した缶ハイボール「ハリークレインズ クラフト ハイボール」は350ml缶で390円(税別)と大手のハイボールの2倍以上の値づけでリリースした。とかく値ごろ感ばかり追求されるハイボールに”ハイエンド”、”クラフト”という新しい概念を持ち込もうとしている。
大手も原酒不足に手をこまねいてばかりいるわけではない。サントリーはスコットランドやアメリカ、日本などの複数国の原酒をブレンドしたウイスキー「碧」を発売。さらに海外に目を向ければ、以前、台湾のウイスキー醸造メーカー「KAVALAN」も現地で缶ハイボールを発売していたと聞く。
コンビニなど、日常で見かけるいつもの缶ばかりではない。そういえば昨秋、KAVALANの醸造所を訪れたが、味、価格、ラインナップとも素晴らしく、危うく免税枠を超えて購入しそうになってしまった。その他、インドやオーストラリア、ニュージーランドなど台頭しつつある国のウイスキーを入手して自宅でハイボールを作るのもいい。空前の原酒不足だからこそ、開くことのできる扉がある。