ライフ

ハイボール人気で原酒不足 「代酒」を味わう愉しみも

ハイボールの人気は衰えない(写真:アフロ)

 品薄だからと買い占めに走るのはそれこそ品がない。探せば別の愉しみ方もある。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

 * * *
 ハイボール人気が止まらない。といっても、この10年ほど右肩上がりに加速しているウイスキーソーダ=ハイボールの話だけではない。加熱する人気は、酒造会社を舞台としたNHKのドラマ「マッサン」などによってさらに爆発的な勢いがつき、まさかの原料不足に陥るまで加速した。

 都内でハイボールを中心とした、カジュアルなバーを営む飲食店の店主は現状をこう嘆く。

「うちの酒はサントリー系が多いんですが、人気の高い『山崎』や『白州』はノンヴィンテージのレギュラー酒を入荷するので精一杯。長く使うメニュー表には『響』も載っていますが、もうずいぶん前から販売休止シールを貼っています」

 ウイスキーは熟成に年数がかかる。急激なハイボールブームを受けて、この数年、「白州」、「響」といった高級酒の「○○年モノ」ヴィンテージは次々に休売に追い込まれてきた。昨今はレギュラー酒にもその波が及んでいる。サントリーは今年1月「白角」が休売となり、同時にコンビニ向けの「知多」(350ml)、「角瓶」(450mlも販売休止に。他メーカーでもキリンの「富士山麓樽熟原酒50度」も休売に追い込まれた。

 しかしハイボール人気はもはやブームの域にはとどまっていない。「リーズナブル」「糖質オフ」などの追い風を受けて、完全に飲酒カテゴリーとして定着。「とりあえず、ハイボール!」という言葉も日常のものとなるほどの定位置を獲得している……。にも関わらず、原料ウイスキーは不足していて、ハイボール人気を受け止めきれていない。となると、「ワシの出番や」と意気込む代打ならぬ、”代酒”登場の流れがある。

 例えばベテラン組で言えば、宝酒造の「焼酎ハイボール」。実はこのアイテムは2006年、まだハイボールブームが到来する以前に発売されて以来、地道に販売量を伸ばし、2009年のハイボールの再ブレイクとともに存在感を示した。この23日からも「強烈パインサイダー割り」という炭酸ガス圧の強い期間限定アイテムの投入を予定している。ちなみに「チューハイ」の語源は「焼酎ハイボール」の略語だとされる。

 先月発売された「トーキョーハイボール」(合同酒精)は戦後にウイスキーの代用として下町を中心に人気を博した飲み方を再現したもの。焼酎に、色が琥珀色になる梅シロップを加え、炭酸で割った「ボール」と呼ばれていた飲み物。戦後、ウイスキーを入手できない日雇い労働者などの間で流行ったが、昨今では「下町ハイボール」として若年層にも受け入れられている。

関連記事

トピックス

『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《TOKIO・国分太一が無期限活動休止》「演者とスタッフは“独特の距離感”だった」関係者が明かす『鉄腕DASH』現場の“特殊な事情”
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
『ザ!鉄腕!DASH!!』降板が決まったTOKIOの国分太一(右/番組の公式サイトより)
《スタッフに写真おねだりか》TOKIO・国分太一は「コンプライアンス上の問題行為が複数あった」…日本テレビに問い合わせた結果
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
《日テレで緊急会見の意味は》TOKIO国分太一がコンプラ違反で活動休止へ 「番組降板」「副社長自らスキャンダル」の衝撃
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、今年秋の園遊会に“最速デビュー”の可能性 紀子さまの「露出を増やしたい」との思いも影響か
女性セブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン