逆流を招きやすい生活習慣
さらに、おなかに圧力をかける行動が逆流性食道炎を招くという。国立国際医療研究センター国府台病院の上村直実名誉院長がいう。
「最近は猫背の人が増えている影響で若い人にも逆流性食道炎が多くみられるようになりました。姿勢が悪いと内臓に圧がかかり、腹圧が高くなる。すると下部食道括約筋が緩んでしまう。同様に、きついベルトをしたり、しゃがむ作業なども腹圧を上げやすい」
また、便秘も消化管の渋滞を招いて腹圧が高まるため、若い人でも逆流性食道炎を引き起こす原因になる。
このほかにも逆流性食道炎を招く習慣はいくつかある。カフェインや酸っぱい飲み物は、逆流性食道炎の原因となる胃酸の分泌を促進してしまうため、胸やけを感じる人などは注意を払いたい。自覚症状がある人は、ミントやトウガラシなども胃を刺激するため同様に控えたほうがいいとされる。
横になる際は、左側を下にするのが正解だ。「胃は左右で比べると左側の方が大きく膨らんでいるので、左を下にして寝たほうが逆流しにくい」(同前)からだ。反対に右向きで寝ている人は要注意。
意外なところでは、「大声を出す」こともリスクだという。
「カラオケなどで大声を出すと腹圧を上昇させ、逆流性食道炎を招きやすい。飲食後は気をつけたほうがいいでしょう」(同前)