スポーツ

10連休、欧州サッカーが面白すぎて出かける必要などない!

マンチェスターC戦でシュートを放つトッテナムの孫興民(AFP=時事)

 大型連休の楽しみ方は人それぞれである。旅に出る人が多いからといって特に予定がないことに危機感を覚える必要もない。1968年に来日したアーセナルの試合を国立競技場で見て以来のイングランドサッカーファン、ライターの東田和美氏がレポートする。

 * * *
 欧州チャンピオンズリーグ(UCL)のベスト4が出揃った。

 マンチェスター・ユナイテッド(以下ユナイテッド)との人気カードで格の違いを見せつけたバルセロナ。3連覇中のレアル・マドリーに続いて、今シーズン、そのマドリーから移籍したC・ロナウドを擁するユヴェントスをアウェイで、しかも逆転で打ち破ったアヤックス。ラウンド16でバイエルンを破り、その勢いで曲者ポルトを一蹴したリバプール。

 そして18日未明(日本時間)、プレミア同士の壮絶な戦いを制したトッテナム。もしVARがなかったら、アディショナルタイムのマンチェスター・シティ(以下シティ)のゴールは認められており、両者の立場はまるで違った。世界中でどれほどの人が、このドラマの残酷さに魅入られたのだろうか。ゴールが決まったと思われた直後の、両監督の姿を見るだけでも生中継を見ていた甲斐があったというものだ。

 準決勝はもう2週間後。まずはエースであるハリー・ケインの故障、絶好調ソン・フンミンの出場停止は痛いが、勢いのあるトッテナムと、前評判を覆した“クライフ魂”が生きる若きアヤックス

 もう1試合は昨年の悪夢を断ち切った優勝最右翼といわれるバルセロナと、プレミアの覇権との2冠を目指す絶好調リバプール。連休中にこんなカードが観られるなら、どこへも出かける必要などないほどだ。

 ベスト4にリバプールとトッテナムの2チームが残り、ことによればイングランド・プレミアリーグ同士の決勝も可能性が出てきたが、ここにきてそのプレミアリーグも大激戦。このUCLとも大いに関わってくる。

 現在優勝争いはリバプールとシティの2チームに絞られている。リバプールが残り4試合で勝ち点85、シティが残り5試合で勝ち点83。すでに直接対決は終わっているため(もしかしたらUCLの決勝で同じカードを見られたかもしれなかった!)、残りカードではどちらも引き分けさえ致命傷になる。リバプールはすでに降格の決まった最下位ハダースフィールド、18位(残留争いをしているチームもイヤなものだが)のカーディフ、15位のニューキャッスル、8位のウォルバーハンプトンを残すだけ。合間にバルセロナとのUCL準決勝があるが、モチベーションの高さを意地できれば全勝もあり得る。

 一方のシティはまず今週末20日(土)にUCLで苦汁を飲まされたばかりの3位トッテナムを再度ホームに迎える。優勝するためにも、絶対に負けられない1戦だ。さらに25日(木)未明には、アウェイでのマンチェスター・ダービー。UCLでは敗退した同士だが、ユナイテッドは来季のUCL出場権もかかっており、シティにとっては厳しい闘いが続く。しかし残り試合が多いため、全勝すれば文句なしの連覇。FAカップとの2冠の可能性は十分だ。よけいなことだが、もしUCL準々決勝でVARがなかったら、日程的にもかなり厳しくなっていた。

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン