ビジネス

若手社員の「5月病」、乗り越えるために役立つ「3つの感覚」

会社を辞めたくなったら「首尾一貫感覚を持てるかどうか」が重要になる(写真はイメージ)

 この春、新入社員を迎え入れた職場も多いだろう。就職活動を勝ち抜いて、志望する企業に入れた人も、あるいはそうでない人も、期待と不安の入り混じった思いで、人生の新たなスタートを切っているに違いない。

 しかし、入社後しばらくすると、「自分の思い描いていた仕事と全然違う」「希望の職種ではないところに配属された」「職場になじめない」といった理由で深刻に悩み始める社員が出てくる。いわゆる「雇用ミスマッチ」と呼ばれる現実だ。大学新卒者の3年以内離職率は、31.8%にものぼる(平成27年3月卒業者。厚生労働省)。ほぼ3人に1人が3年以内に会社を辞めている計算だ。

 産業カウンセラーやキャリアコンサルタントとして100社を超える企業の相談に応じてきたストレス・マネジメント研究者で、近著に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』がある舟木彩乃氏によれば、休職や退職を考える人の多くには“共通する特徴”があるという。

◆“人生の辻褄合わせ”ができる人の共通点

「私はこれまで、のべ8000人以上をカウンセリングし、その中で『雇用ミスマッチ』に悩んで休職や退職を考えている方々からも、いろいろな相談を受けてきました。彼らがそう考えるようになったきっかけは、配属された部署や仕事内容に対する不満であったり、職場の人間関係の悩みだったり、給与や待遇の低さであったりとさまざまですが、その中でも、いよいよ休職・退職を決断するまで追い詰められている人たちに共通しているのは、『今の職場で働く意味』を見いだせなくなっているということです」(舟木氏、以下同)

 自分がこの会社で働くことに「意味」があるのか?──そんな疑問を持つようになると、自分の身に降りかかるさまざまな出来事に対処できなくなるという。なぜなのか?

「人はしばしば、何かを行なう時に、その『意味づけ』をするものです。自分がこの仕事に時間を費やし、エネルギーを投入する『意味』は何なのか? そこに、はっきりとした『意味』を見いだせる人は、困難な出来事やトラブルに遭遇した時でも、その現実に正対できるのではないでしょうか。

 たとえば、成績不振に悩んでいた営業マンが、商品を購入した顧客から感謝の言葉をかけられて、あらためて自分の仕事に『意味』を見いだし、新規開拓にも前向きに取り組むようになった──といったケースはよくあると思います。こうした『意味づけ』は、浮き沈みのある職業人生に整合性を持たせ、いわば“人生の辻褄合わせ”ができるようになるのです。

 そんな“人生の辻褄合わせ”に長けている人には共通点があります。それは、『首尾一貫感覚(SOC)』が高いということです」

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン