つぎの別掲(図2)のように、渋滞が発生する。濃い黒色のクルマは、自分の前にスペースがなかったために、1秒前の時点から動けなかったクルマを表している。

【図2】渋滞発生の様子

【図2】渋滞発生の様子

 このように、道路上のクルマの数が増えて密度が高くなると、動けないクルマが出てくる。つまり、渋滞が発生することになる。この渋滞の様子をよく見ると、渋滞そのものは、進行方向と反対の方向に進んでいくことがわかる。また、このモデルでは、渋滞に巻き込まれているクルマの数は3台で変わらない。渋滞は、拡大していないこともわかる。

 しかし、連休中などに現実に起きる渋滞はどんどん拡大していき、40kmや50kmなど、途方もない長さになることが多い。どうして、渋滞は拡大していくのだろうか。

 ここで、モデルのルールを変えてみる。「自分の前にスペースがあれば、前に進む」というルールに、「ただし、自分の前にスペースができたばかりのときは前に進まない」という制約を加えてみる。

 各ドライバーは、前にスペースができても、すぐには動かず、ワンテンポ遅れて動き出す──としてみるわけだ。次の別掲(図3)では、このワンテンポ遅れて動き出すクルマを赤色で示した。このルールは、「スロースタートルール」と呼ばれている。

 このスロースタートルールをもとに、モデルを見てみると、最初3台だった渋滞に後続のクルマが追いついて、2秒後には4台、4秒後には5台……と徐々に渋滞が拡大している様子がうかがえる。

【図3】渋滞が拡大していく様子

【図3】渋滞が拡大していく様子

 実際には、渋滞のなかのドライバーにはいろいろな人がいて、みんなが同じルールに従って動くわけではない。たとえば、前のクルマが動くと、かならず自分もすぐ動いてスペースを埋めていく人がいる。一方で、ボーっとしていて前にスペースが空いても、すぐには動き出さずに2、3秒たってからクルマを動かす人もいる。そういう人がいると、渋滞は拡大するわけだ。

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