ビジネス

ボーっと運転しているクルマが渋滞を拡大させている根拠

大型連休で避けて通れない渋滞だが…

大型連休で避けて通れない渋滞だが…

 今年のGW(ゴールデンウィーク)は、4月27日~5月6日にかけて10連休もある。空前の長さの連休中に、多くの人が旅行するとみられていて、観光業や運輸業ではさまざまな企画が進められている。ただ、やはり気になるのは、クルマで移動する場合の渋滞だ。ニッセイ基礎研究所上席研究員の篠原拓也氏が、簡単な確率モデルをつかって渋滞の原因を探る。

 * * *
 都市部でクルマを運転する場合、渋滞は切っても切れない問題となる。大型連休やお盆、正月の時期に限らず、土日でも平日でもクルマの渋滞がみられる。近年は“渋滞予報士”という肩書きの専門職まであらわれて、いつ、どこで、どれくらいの規模の渋滞が発生するかを予報している。

 渋滞は、人間が運転するクルマが密集することで起きる。気象や地震などの自然現象と違って、人間の行動が読めれば、正確な予報ができるはずだ。そのような考え方のもと、渋滞に関する研究は、社会心理学、交通工学などのさまざまな分野で行なわれている。今回は、渋滞の発生と拡大の仕組みを、簡単なモデルをもとに紹介することとしたい。

 研究では、現実の世界の出来事をなんらかのモデルに当てはめることがよく行なわれる。渋滞のモデルの基本的なものとして、「セルオートマトンモデル」と呼ばれるものが有名だ。

 このモデルでは、1車線の道で、何台かのクルマが同じ方向に進んでいくものとする。それぞれのクルマは、「自分の前にスペースがあれば、前に進む」というルールで動いていく。ある時点からスタートして、次の時点(1秒後)、そのまた次の時点(2秒後)……という具合で、各時点の道路の様子を示すと、別掲(図1)のようになる。

【図1】渋滞が起きていないスムーズなクルマの流れ

【図1】渋滞が起きていないスムーズなクルマの流れ

 この図では、ちょうど等間隔でクルマが動いており、渋滞は起きていない。それでは、クルマがもう1台増えるとどうなるだろうか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン