スポーツ

平成競馬を代表、武豊の功績とは一体なんだったのか

武豊の真の功績とは?(写真はイメージ)

 昨年9月に通算4000勝という前人未到の記録を達成した武豊騎手が、初めて全国リーディングジョッキーになったのは平成元年。以後18回もこのタイトルを獲得する。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、平成競馬を語る上ではずせない騎手、武豊についてお届けする。

 * * *
 記録の数々はここで改めて列挙するまでもないだろう。年間最多勝こそ昨年破られたが、騎手記録のほとんどを更新し保持し続けている。技術、精神力から人間性まで、騎手として必要なものをすべて備えている武騎手だが、関係者の間で、とくにそれまでの騎手になかった魅力として高い評価を受けているのが「コメント力」だ。レース直後にもかかわらず、冷静かつ具体的にレースを振り返って次走への指針となるばかりか、騎乗馬へのリスペクトにも溢れている。

 天皇賞(春)は平成元年(1989年)のイナリワン、2年のスーパークリーク、3年(1991年)のメジロマックイーンと3連覇したが、3年秋の天皇賞では、そのマックイーンがスタート直後の斜行で18着に降着。続くジャパンカップ、有馬記念とも1番人気に応えられなかった。

 4年(1992年)の天皇賞(春)は、前年皐月賞とダービーを勝った後、10か月ぶりに復帰した7戦7勝のトウカイテイオーが単勝1.5倍の1番人気、対するマックイーンは2.2倍で2番人気に甘んじた。しかしレースでは、マックイーンが完勝、「今日は小細工せずにマックイーンの力を信じて乗った」と胸を張った。

 その他「僕は跨がっていただけ。馬に勝たしてもらいました」「この馬が最強牝馬であることを証明できた」など、馬主にとって嬉しい言葉を残し続ける。同時に「最高の状態に仕上げてくれたスタッフに感謝します」と、陣営に対する思いも忘れない。関西の競馬関係者はみな武豊のファンになり、彼に騎乗してもらうことを目標にする。条件馬クラスでは、武豊のスケジュールに合わせて、使うレースを決めることも多かった。JRAのGIだけで76勝もしているが、関東馬で勝ったのは平成元年の天皇賞・宝塚記念のイナリワン(鈴木清厩舎)と藤沢和雄厩舎のダンスインザムードだけだ。

関連記事

トピックス

ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
思い切って日傘を導入したのは成功だった(写真提供/イメージマート)
《関東地方で梅雨明け》日傘&ハンディファンデビューする中年男性たち デパートの日傘売り場では「同い年くらいの男性も何人かいて、お互いに\\\\\\\\\\\\\\\"こいつも買うのか\\\\\\\\\\\\\\\"という雰囲気だった」
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン