実はこの問題、日本にとっても無関係ではない。韓国は1965年の日韓基本条約・日韓請求権協定により日本から5億ドルに及ぶ経済援助を受けたにもかかわらず、元軍人や元徴用工、元慰安婦などへの補償には回さず、高速道路やダム、発電所などのインフラ投資に集中投下したことで、漢江の奇跡は始まった。原資は日本の経済支援なのだ。

「(漢江の奇跡が)日本からの経済支援のおかげだったという事実も消し去りたいのだと思います」(前川氏)

「元慰安婦」や「元徴用工」への賠償請求を今後も続けるうえで“都合の悪い事実”は、全部なかったことにするつもりなのだろうか。

 前述した「朝鮮日報」記事によると、「1948年の国連総会で大韓民国政府は韓半島(朝鮮半島)における唯一の合法政府として承認された」という記述も同じく削除されたという。当時は北朝鮮ではなく、韓国だけが国連に認められていたという事実も、小学生に教えないようだ(両国の国連加盟は1991年)。

「昨年は中学校社会科の教科書の改訂で、『朝鮮戦争は北朝鮮が南進して始まった』という記述が消されています。それと同じ流れです。北朝鮮に対する忖度ですね」(前川氏)

 文在寅政権の“北朝鮮ファースト”は相変わらずだ。

 消された項目がある一方で、追加された項目もある。朴槿恵大統領を辞任に追い込み、みずからが政権を奪う原動力になった「キャンドル集会」(いわゆるローソクデモ)である。しかし、小学生には、「デモ」よりも先に教えるべきことはたくさんあるのではないか。

●取材・文/清水典之(フリーライター)

関連記事

トピックス

五輪出場を辞退した宮田
女子体操エース・宮田笙子の出場辞退で“犯人探し”騒動 池谷幸雄氏も証言「体操選手とたばこ」の腐れ縁
女性セブン
熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー
《綾瀬はるかと真剣交際》熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー「本当に好きな彼女ができた」「いまが本当に幸せ」と惚気けていた
女性セブン
伊藤被告。Twitterでは多くの自撮り写真を公開していた
【29歳パパ活女子に懲役5年6か月】法廷で明かされた激動の半生「14歳から援助交際」「友人の借金を押しつけられネカフェ生活」「2度の窃盗歴」
NEWSポストセブン
池江
《復活を遂げた池江璃花子》“母離れ”して心酔するコーチ、マイケル・ボール氏 口癖は「自分を信じろ」 日を追うごとに深まった師弟関係
女性セブン
中学の時から才能は抜群だったという宮田笙子(時事通信フォト)
宮田笙子「喫煙&飲酒」五輪代表辞退騒動に金メダル5個の“体操界のレジェンド”が苦言「協会の責任だ」
週刊ポスト
熱愛が発覚した綾瀬はるかとジェシー
《SixTONESジェシーと綾瀬はるかの熱愛シーン》2人で迎えた“バースデーの瞬間”「花とワインを手に、彼女が待つ高級マンションへ」
NEWSポストセブン
熱い男・松岡修造
【パリ五輪中継クルーの“円安受難”】松岡修造も格安ホテル 突貫工事のプレスセンターは「冷房の効きが悪い」、本番では蒸し風呂状態か
女性セブン
綾瀬はるかが交際
《綾瀬はるか&SixTONESジェシーが真剣交際》出会いは『リボルバー・リリー』 クランクアップ後に交際発展、ジェシーは仕事場から綾瀬の家へ帰宅
女性セブン
高校時代の八並被告
《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も
NEWSポストセブン
高橋藍選手
男子バレーボール高橋藍、SNSで“高級時計を見せつける”派手な私生活の裏に「バレーを子供にとって夢があるスポーツにしたい」の信念
女性セブン
幅広い世代を魅了する綾瀬はるか(時事通信フォト)
《SixTONESジェシーと真剣交際》綾瀬はるかの「塩への熱いこだわり」2人をつなぐ“食” 相性ぴったりでゴールインは「そういう方向に気持ちが動いた時」
NEWSポストセブン
いまは受験勉強よりもトンボの研究に夢中だという(2023年8月、茨城県つくば市。写真/宮内庁提供)
悠仁さま“トンボ論文”研究の場「赤坂御用地」に侵入者 専門家が警備体制、過去の侵入事件を解説
NEWSポストセブン