国内

「令和」到来 実感ないのは「インパクトバイアス」のせい?

「退位礼正殿の儀」でお言葉を述べられる前天皇陛下と前皇后美智子さま

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、新元号「令和」を分析。

 * * *
「令和」の時代が始まった。でも何も変わらない。変わったという実感がない。当然といえば当然なのだが、なんとなく取り残されたような…。そんな感じがする人はいないだろうか?

 令和元年初日の朝は、「平成」だった一昨日とまるで同じだった。新元号が発表された時の方が今か今かとワクワクしていた。巷の予想とはまるで違った元号は、ラ行のきれいな清音で始まり、明るく柔らかい、それでいて品を感じさせるような音の響きが新鮮だった。「令和」に決まったという号外を求めて人々が殺到していた映像に、時代が変わっていく節目の到来を感じたような気がしたものだ。

 この1か月、メディアは盛んに新しい時代の幕開けを強調していた。平成の振り返りやら総括やらの番組が次々に組まれ、あるCMでは、「平成の大晦日」なんてキャッチフレーズが付けられていたくらいだ。微妙なお祝いムードや流れに乗って“新しい時代になった”という晴れやかな気持ちになるだろう、ちょっとしたお正月気分に似たような感じになるだろうと思っていた。だけどそんな感情は何も湧いてこなかった。

 自分自身に拍子抜けだ。この拍子抜け、きっと「インパクトバイアス」の仕業だろう。

 インパクトバイアスとは、ある出来事が生じた時、自分はどんな感じがするだろう、どのような気持ちになるだろうという感情の強さやその持続時間を過大に見積もる傾向のことだ。元号が変わるという出来事とメディアの盛り上がりを見て、自分の気持ちもアップするだろうと思ったのは、ポジティブなインパクトバイアスである。だが、実際は違っていた。

関連記事

トピックス

STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
東京都内の映画館で流されたオンラインカジノの違法性を訴える警察庁の広報動画=東京都新宿区[警察庁提供](時事通信フォト)
《フジ社員だけじゃない》オンラインカジノ捜査に警察が示した「本気度」 次のターゲットはインフルエンサーか、280億円以上つぎ込んだ男は逮捕
NEWSポストセブン
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
参政党の神谷宗幣・代表(時事通信フォト)
《自民・れいわ・維新の票を食った》都議選で大躍進「参政党現象」の実態 「流れたのは“無党派層”ではなく“無関心層”」で、単なる「極右勢力の台頭」と言い切れない本質
週刊ポスト
苦境に立たされているフジの清水賢治社長(左/時事通信フォト)、書類送検された山本賢太アナ(右=フジホームページより)
“オンカジ汚染”のフジテレビに迫る2つの危機 芋づる式に社員が摘発の懸念、モノ言う株主からさらに“ガバナンス不全”追及も
週刊ポスト
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
NEWSポストセブン