また、ランニングコストも大きく違う。一戸建て住宅を維持するのにかかる費用は、基本的に固定資産税や都市計画税のみ。どこかが壊れれば修繕費が発生するが、新築時にきちんと施工されていれば30年でかかる費用は100万円に満たない場合も多い。駐車場のスペースがあれば、そこにマイカーを置く費用も発生しない。

 これに対して、マンションには税金の他に管理費や修繕積立金がかかる。駐車場を使えば月額使用料も発生する。現状、都心なら管理費と修繕積立金を合わせて平米単価400円程度。80平方メートルなら3.2万円。駐車場使用料は4万円。仮に月々7.2万円を30年払うと2592万円になる。少なくない額だ。

 もちろん、マンションのほうが戸建てよりも優れた点はいくつもある。まず、何よりも頑丈である。少々の地震では倒壊する危険性はないとされる。また、台風で屋根を飛ばされる心配もない。

 次に、断熱性や遮音性が高い。確かに、マンションは暖かい。住戸の向きにもよるが冷房も効きやすい。家電量販店にいくと、戸建なら6畳に適したエアコン製品はマンションなら8畳くらいで使えると表示されている。

 遮音性については、外部からの騒音については木造の戸建てよりも鉄筋コンクリートのマンションのほうが如実に優れている。しかし住戸間の壁がコンクリートの入った湿式ではなく、石膏ボードを使った乾式なら、隣戸の生活音が聞こえてしまったりする。

 清掃や管理もマンションのほうがラクだろう。共用部分は基本的に管理人さんたちが清掃してくれるし、マンションは基本24時間のゴミ出しが可能だ。戸建ての場合は寒い冬でも朝早くに起きて、指定のゴミ収集場所まで運ばなければいけない。その他、共用部分の植栽の管理とか自転車置き場の整理も管理人さんの仕事。住民は一切やらなくて良い場合がほとんどだ。

 そして、最も大事なことは耐用年数。鉄筋コンクリートのマンションはメンテナンスさえしっかりしていれば100年くらい使えそうだ。しかし木造の一戸建ては50年もすればかなり老朽化している。100年は無理だろう。

 このように「住む」という機能だけで考えればマンションのほうが優れているが、コストがかかって、様々な手続きが面倒くさいのは事実。

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン