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「事故物件住みます芸人」の周囲で起こる「超常現象」に本人は

事故物件に住み続ける芸人・松原タニシ

 人口減少を背景に日本各地で空き家が増え続けており、問題視されて久しい。2013年の総務省の調査では、全国の空き家率は13.5%で過去最高となり、7戸に1戸は空き家という計算になる。空き家は景観悪化や倒壊の危険性のほか、防犯対策の面でも地域のマイナス要因になると言われている。

 空き家を生む原因の一つが、自殺や他殺によって前の住人が死亡し心理的瑕疵のある「事故物件」。一般的には住みたがらない人が多いが、お笑い芸人の松原タニシ(37歳)は「事故物件住みます芸人」を名乗ってさまざまな事故物件に住み続けている。6年間に渡って事故物件に住み続けているタニシの周囲では、奇妙なできごとが多数起きているという。

◆受話器から聞こえる「やめて……」の声

「僕の所属している芸能事務所「松竹芸能」女性マネージャーFさんの話なんですが、電話での打ち合わせ中に急に慌て始めまして……」

 こう切り出したタニシは、その顛末について語った。

「彼女はもともと霊感は強いほうではなく、超常現象みたいなものは感じたことがなかったんです。でも、僕が2軒目の家に住み始めた頃、会社から電話をかけたら、電話の向こうでずっとパリンパリン、ガシャンガシャンと窓ガラスが割れるような音が聞こえてきたと言うんです。こちらは全然普通に聞こえているのに、Fさんは『聞こえますかー?』『大丈夫ですかー?』ってすごい大声で叫んでいました」

 マネージャーの電話はノイズがひどく、かろうじて会話ができる程度の音量しか聞こえてなかったという。

「それも1回だけじゃなくて、ほかの日の電話でもずっと同じ現象が起きていたそうです。でも、しばらく経ったら急にクリアに聞こえるようになったそうで、『ひょっとして、引っ越ししました?』と聞かれました。まさにその通りで、事故物件から離れた途端、トラブルはなくなったんです」

 電話で奇妙なノイズ音を聞いたのは、F氏だけではない。コミック『ゼロから始める事故物件生活』(作・奥香織、小学館)を担当する編集者K氏も、同じような経験をしている。

「Kさんは松竹芸能の大阪オフィスで僕と打ち合わせをしたあと、近くの喫茶店でアイスコーヒーを飲んでいたら、非通知で電話がかかってきたそうなんです。なんだろうと思って出ると、『もしもし……』という3歳児ぐらいの子供の声が聞こえてきたそうでして。言葉を覚えたてのつたない発音で、続いて『やめて……』と言われたそうです。その直後、電話は切れてしまったそうですが……」(タニシ)

◆日常的に”憑依”されている?

 タニシに何かが乗り移っているかのような場面を見た人もいる。

「僕のトークイベントを手伝ってくれたスタッフ5人ぐらいと一緒に、打ち上げで近くの居酒屋に行ったんです。テーブルに冷やしトマトが運ばれてきたので食べていたら、みんなが口をそろえて『えっ、タニシさん、トマト食べられるんですか? さっきまでトマト嫌いだから食べられない、焼きトマトだったらギリギリ食えるかもしれないけど、なんて言ってたじゃないですか!』って言うんですよ。僕、そんな話一言もしてないのに……」

 タニシが“幽体離脱”をしているとも思える証言は、ほかにもある。テレビ番組でタニシに事故物件に住むことを勧めた北野誠氏は、こう語っていたという。

「以前、高知県へロケに行った際、ホテルで北野誠さんの隣の部屋で寝ていたんです。僕はぐっすり寝ていたんですが、翌朝、朝ごはんを食べていたら誠さんから『夜中に壁をドンドン蹴ったり、朝5時ぐらいに何度も部屋を出入りしてたみたいやけど、何やったん?』と聞かれました。そんなはずはないので『いや、ずっと寝てましたよ。僕のベッド、誠さんの部屋と反対側にあるので、寝ながら蹴るはずがないです』と答えたんですが、そんなはずはない、じゃああれは何だったんだという話になりました」

 そのときのロケは高知県の心霊スポットを次々とまわるもので、いったいどこで何の霊が取り憑いたのか、まったく分からないという。

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