ライフ

息子を正座させて説教したら虐待か? “躾”との境界線

躾と虐待の境界は?

 幼児虐待のニュースが頻繁に報じられるが、我が子を正しい方向に導くのも親の務め。時には厳しい態度で臨まなくてはならない場面もあるだろう。我が子を正座させ説教すると“虐待”になるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 東京都は家庭内で躾と称した子供への体罰を禁止した虐待防止条例を施行させています。私にも8歳の息子がおり、悪さをした場合、正座をさせ説教します。困惑するのは、正座させると彼が泣くのです。この行為は躾ではなく、虐待になるのでは、と心配になります。躾と虐待の境界線を教えてください。

【回答】
 民法では親権者は、「監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる」と定められており、躾に従わない子供を親は処罰できます。しかし、懲戒として行なわれる行為であっても、許容される範囲を超えた場合、その行為は違法性を帯びます。

 例えば、殴ったり、蹴ったりすれば、刑法上の暴行です。相手が我が子でも許されることではありません。親権者は子供の利益のために監護するのですから、懲戒権を濫用して虐待すると、親権を失うこともありえます。

 児童虐待防止法によれば、虐待は保護者が行なう行為で(1)児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。(2)児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。(3)児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置等です。この他、児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応なども該当します。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン