こういった認識が定着しているのはもちろん、学校教育とマスコミの報道の影響だ。韓国で使用されている歴史教科書の目次を見れば必ず「人材と資源の収奪」、あるいは「人的資源の強制動員」という見出しを見つけることができる。学校では教師が、慰安婦と徴用労働者についてのトピックで、先述したような徴用者のイメージを学生に伝える。認可を受けたすべての教科書に記載されていることから、「強制動員」の教育は韓国政府(教育部)の指針であることがわかる。
そして、同様の内容がマスコミにより毎年、繰り返し報道され、国民に伝えられている。こうして韓国人の中に定着した「強制動員」のイメージが、歴史的な事実と一致しているかどうかの検証はなされていない。
※崔碩栄・著『韓国「反日フェイク」の病理学』(小学館)より一部抜粋、再構成
【プロフィール】チェ・ソギョン/1972年、韓国ソウル生まれ。高校時代より日本語を勉強し、大学で日本学を専攻。1999年来日し、関東地方の国立大学大学院で教育学修士号を取得。大学院修了後は劇団四季、ガンホー・オンライン・エンターテイメントなど日本の企業で、国際・開発業務に従事する。その後、ノンフィクションライターに転身。著書に『韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由』、『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(以上、彩図社)、『「反日モンスター」はこうして作られた』(講談社)など。最新刊は韓国の「反日」の正体を検証した『韓国「反日フェイク」の病理学』(小学館新書)。