親族の範囲は6親等内の血族か、3親等内の姻族です。あなたは義母さんの1親等で、有資格者ですが、通常に比べ大きな無償の貢献があり、その結果、義母さんの療養費が助かり、相続財産の減少を防いだことが要件となります。療養看護の費用負担をした、というだけでは認められません。

 この特別寄与料は、相続人が相続分に応じて負担します。この権利は、被相続人が亡くなったことを知ってから、半年以内に行使しないと時効になりますし、知らなくても、相続開始から1年で消滅します。相続人と特別寄与料の有無や金額について協議ができない場合には、家庭裁判所に審判申し立てができます。

 この制度は、今年7月1日以後に適用されるので、義母さんの相続分は対象外です。しかし、あなたの看護で少なくとも看護代分が助かったはずで、その報酬を一種の相続債務とし、支払うよう相続人と協議してはいかがですか。

【プロフィール】1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2019年6月14日号

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