──他チェーンだけでなく、ドラッグストアなどライバルは増えているが、どう差別化していく?
竹増:惣菜やお弁当、おにぎりなど我々が自信を持つ商品群は、それなりの店舗網や物流網、専用工場などがないと提供できませんので、ドラッグストアとは差別化できると考えています。
コンビニの武器は、やはり生活の一番近くにあり、世の中の変化に機動的に対応しやすいということ。コンビニ業界の飽和状態を指摘する方もいますが、女性の社会進出が進み、ご高齢の方が増え、若年層の消費観やライフスタイルも大きく変わってきています。
その中で「生活に一番身近な場所にある」というコンビニ最大の強みを、まだ生かしきれているとは思えない。これからの課題は老若男女様々なニーズをどうやって取り込み、お客様により便利に、より効率的に、今の暮らし方に合ったコンビニの使い方をしていただくかでしょう。
我々の魅力をもっと磨き、激変する世の中にいかに対応するか。ここにチャレンジすることが、コンビニのビジネスモデルをまた大きく変えていくと考えます。
【PROFILE】たけます・さだのぶ/1969年大阪府生まれ。1993年大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社し畜産部に配属。その後グループ企業の米国豚肉処理・加工製造会社勤務、三菱商事社長業務秘書などを経て、2014年ローソン副社長に。2016年6月から現職。
●聞き手/河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。ジャーナリスト。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2019年6月14日号