それはパレスホテルでも同様であっただろう。また、こうした特別な状況下においては、一般のゲストへの配慮にもホテルの格があらわになる。トランプ大統領滞在中に同ホテルを利用したというゲストは、料飲施設ほかパブリックスペースでの気遣いもさすがだったと振り返る。こうしたシーンにおけるホテルスタッフの結束力、チームワークは“選ばれるホテル”の条件なのかもしれない。
大統領が宿泊するともなれば、通常ゲストが利用できるサービスの一部が制限され、機会損失への補償もないといわれるが、VIPを迎えることはホテルにとって高いハードルであると同時に名誉なことでもあるだろう。知名度が上がるというよりも、スタッフが自らのサービスを顧みることで、さらにレベルがアップする契機になるともいう。
ホテルはゲストに育てられるという側面がある。他方、メディアに注目されることは多くのゲストがホテルを訪れるきっかけにもなる。筆者はメディアでホテルを紹介する機会が多いが「注目されることはスタッフのモチベーションが高まる最大の効用」と語るホテル支配人は多い。
今回のニュースでパレスホテル東京を訪れてみたいと思った方も多いことだろう。ホテルには宿泊をはじめ料飲やバンケット、ウエディングなどの機能がある。さらに“迎賓館”としての役割までも担うホテル。ホスピタリティマインド溢れる非日常空間への興味は尽きない。