もともとクイズ番組は、「出演者への報酬を抑えやすい」「セットがシンプルなもので済み、変更の必要がない」など、テレビ局にとってコスパのいいコンテンツ。また、『99人の壁』などを手がける日高大介さんらベテランから、『今夜はナゾトレ』などを手がける松丸亮吾さんら若手まで、優秀なクイズ作家がそろっていることも追い風となっています。
『今夜はナゾトレ』内のコーナーを書籍化した『東大ナゾトレ』シリーズが累計100万部を突破し、『99人の壁』は「プライム帯唯一の視聴者参加型クイズ番組」として熱心なファンを増やしています。さらに、ひさびさに放送された『IQサプリ』では新たな問題も採り入れるなど、時代に合わせたマイナーチェンジを行う姿勢も見せました。
他局にはない積極的な取り組みもあって、クイズ番組フリークたちがフジテレビに寄せる信頼はますます厚くなっているようです。スマホやタブレットで楽しめるクイズアプリの盛り上がりで若年層のファンも多いだけに、今後もフジテレビのクイズ番組は、幅広い世代から安定した支持を得ていくでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。