国内

日本人死因第3位 鎮痛剤で胃が荒れると診断しにくいことも

鎮痛剤の飲み過ぎに要注意(写真/PIXTA)

 今や2人に1人ががんになる時代といわれている。しかし、頭のどこかで「自分は関係ない」と思っていないだろうか。その不調、もしかしたら体が発するSOSかもしれない。

 胃がんは、日本人のがん死因3位。胸のつかえや胃痛、むかつき、胸焼けがその兆候といわれるが、生理痛や頭痛などで鎮痛剤を慢性的に服用していると気づきにくい場合があるという。東京ミッドタウンクリニックの森山紀之さんが解説する。

「鎮痛剤をよくのんでいると、副作用として胃が荒れることがあるので、普段から軽いむかつきを感じたり、腸管の動きが悪くてお腹が張っていたりすることがあります。これらは胃がんの初期症状と似ているので、気づきづらくなる可能性があります」

 実際、鎮痛剤の服用率は女性の方が男性よりも高く、特に40~50代はその差が2倍にものぼるという調査もあるほどだ。充分に注意したい。

 40代後半から増える肺がんは、大腸がんに次いで女性のがん死因2位に食い込んでいる。そのいちばんのリスクは喫煙だ。あいクリニック中沢院長の亀谷学さんが言う。

「たばこを吸わない人に比べて喫煙者が肺がんになる危険性は男性で4.4倍、女性で2.8倍増えます。ここまでは高くないものの、受動喫煙によっても肺がんのリスクが上がることを覚えておいていただきたい」

 国立がん研究センターの発表によれば受動喫煙による肺がんリスクは1.3倍にものぼるという。

 森山さんもこう続ける。

「周囲の人がたばこを吸っていても、“煙いから嫌だ”程度にしか思っておらず、肺がんの兆候があっても“まさか自分が…”と考える人がほとんどだと思いますが、気をつけた方がいい」

 肺がんの兆候で圧倒的に多いのは咳だという。

「1か月以上続いたら、一度検査を受けた方がいいでしょう。できればレントゲンではなく、見落としの可能性が低いCT検査をおすすめします。最近の新しい機械では、放射線の被ばく量も心配するほどではありません」(森山さん)

 肺がんは早期に治療できれば5年生存率は8割を超える。早期発見するには、兆候に敏感になるとともに、自分自身はもちろん、やはり夫にも禁煙してもらうのが望ましいだろう。

※女性セブン2019年6月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン