東京五輪出場を目指す萩野公介(共同通信社)

 池江選手が白血病を告白した際には、萩野選手はこんなコメントを寄せていた。

「すごく頑張り屋さんで尊敬するところがたくさんある。東京五輪をあきらめているわけではないと思うので、一緒に頑張っていきたい」

 この頃はすでに萩野選手も窮地に追い込まれていたが、それを隠し池江選手へのエールを送っていた。

 その2人が、同じタイミングで前進し始めた。池江選手が6月5日、ホームページに《自分を奮い立たせてます》とのメッセージを発した翌日、萩野選手が都内で会見し、練習再開を明かしたのだ。

「休養期間中は友人に会ったり、ヨーロッパをひとりで旅してリフレッシュしたそうです。“もっと泳ぎたい”との意欲がわき、心配されたメンタル面は回復した。また、病気と必死に闘い前を向く池江選手の姿に、たくさん勇気をもらったと周囲に話していたようです」(前出・日本水泳連盟関係者)

 池江選手にとっても、萩野選手の復帰は病の克服に向けた大きな力となるはずだ。東京五輪出場は厳しいとの見方が大半だが、池江選手本人は決してあきらめてはいない。あきらめない理由がある。荻野選手の知人はこう語る。

「白血病が発覚する直前、ともに調子の上がらない池江さんと萩野は、“東京で金メダル”と誓い合ったそうです。池江さんはその言葉を胸に闘病を続けている。萩野は当然その気持ちを知っているので、まずは自分がと奮起したのでしょう」

 奇跡の復活を期する両エースが目標とするのは、来年4月の日本選手権だ。

「東京五輪の選考方法はまだ発表されていませんが、2016年のリオ五輪の選考をみる限り、来春の日本選手権で五輪派遣標準記録をクリアしたうえで上位2位に入れば、五輪への出場資格が得られるはず。

 復帰を誓う池江選手と萩野選手にとって、日本選手権は“約束の大会”。お互いに尊敬し合う2人は、この大会での完全復活を目指して切磋琢磨することでしょう」(前出・日本水泳連盟関係者)

 日本が誇る両エースの苦難の先に、東京五輪への道が見えてくるはずだ。

※女性セブン2019年7月4日号

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