送検のため大阪府警吹田署を出る飯森裕次郎容疑者(時事通信フォト)

 G20を控える大阪府吹田市の千里山交番前で巡査が包丁で刺され、拳銃が奪われたのは6月16日の早朝だった。

 大阪府警が不審者の画像を公開すると、父親から「息子に似ている」と通報があり、翌17日早朝には飯森容疑者が逮捕された。

 報道関係者の間では、前夜の時点で早期逮捕に協力した父親が「関西テレビの常務」という情報が巡り、系列のキー局であるフジ局内には緊張が走ったという。情報番組ディレクターが、そこからのフジの“長い長い一日”についてこう語る。

「逃走犯、それも銃を持っているとなれば重大ニュースなので各局が取材に動いていた。

 ところが、父親がフジ系列の関テレの常務であることに加え、飯森容疑者もかつてフジ系列の岩手めんこいテレビの関連会社『めんこいエンタープライズ』に勤務していたことが発覚すると、フジ局内ではこれは“身内案件”だから慎重な対応が必要になるという空気に一転しました。なにせ3日後には嘉納会長のお披露目も兼ねた関テレの株主総会を控えていましたから」

 すぐに飯森容疑者のフェイスブックが特定されたが、そこにはフジとの関係を示唆するような画像も掲載されていた。

「飯森容疑者は円周率の問題を解いたようなメモの画像を載せています。そのメモの下部に『BSフジLIVE PRIME NEWS』のロゴがあった。これは『プライムニュースの集い』という毎年3月に開かれる会合の記念品として配られたメモ帳とみられます。

 10周年のマークもあるので今年の会とも推測されましたが、詳しいことはわからず。他局の記者から個人的に問い合わせがあったが、何と答えていいのか困惑するばかりでした」(同前)

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