しかし、事態は変わってくる。昼には、読売新聞(オンライン)をはじめ「父親は関西テレビの役員」との情報が広がり始めたのだ。
「“なぜフジは報じないのか”といった批判が出始めたこともあり、午後になって関テレ側と話し合いが持たれました。さすがに勤務先を実名で取り上げるべきではないかということをフジから提案し、夕方のニュースで扱うということに落ち着きました」(同前)
そうして『Live News it!』で初めて、容疑者の父親が実名で発表したコメントを紹介し、木村拓也アナが「なお、父親は関西テレビの役員を務めています」と補足した。それまでのワイドショーでの熱量とは打って変わって、淡々と読み上げられると次のニュースへと移った。局内の極めてデリケートな判断が窺える場面だった。
報道の経緯についてフジ、関テレに問い合わせたが、両局ともに「お答えしておりません」との回答だった。前出・フジ関係者が言う。
「フジの株主総会も26日に控えており、事件の続報については引き続き難しい判断が迫られることになる」
常務再任を辞退した飯森氏だが、顧問に就任し関テレに残留する立場となった。フジの“NOグッディ”はもうしばらく続きそうだ。
※週刊ポスト2019年7月5日号