芸能

菅田、二宮、生田…洗濯洗剤CMに男性タレント急増、その狙い

菅田将暉が洗濯用洗剤のCMに

 一昔前は洗濯用洗剤のCMといえば、女性タレントが主婦役として登場し、洗剤の使い勝手や特長をアピールするものが多かったが、今やその“主役”は男性タレントに変わっている。その背景についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 令和元年前半のコマーシャルで、一番の話題作といえば、花王『アタックZERO』だろう。なにしろ、松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太朗、杉野遥亮、人気の若手俳優が五人も揃って、「#洗濯愛してる会」を結成。注目されないワケがない。

 しかも、よく見るとこのCMには、隠れた仕掛けがいろいろあることがわかる。まず、第一に商品の説明。「再現してみた」篇では、実験室のようなところで、ふたつのビーカーに入れた繊維の汚れ落ちを比較。プチ洗濯機のようにくるくる回る水流を見ながら、五人は「プロ感すげ~」「繊維が喜んでいる!」などとその効果をチェック。理科室で騒いでる学生のようなノリだ。

 第二に彼らの会話の仕方。セリフっぽくなく、自然に話している感じ。「ワンハンドプッシュ、初めて」篇では、フタも開けずに洗剤をプッシュするだけで洗濯にかかれる体験をする松坂が、仲間に撮影を頼む。アタックのボトルを「この子」と呼ぶのもびっくりだったが、みんなで「すごくかわいい」「かわいい~!!」と言い出したのには、もっとびっくりだ。
 
 そして第三に彼らの服装。上は素材もデザインも違うが、「白」のシャツやセーター、下はなんとなくゆるい感じのパンツ。キメキメではないが、普段着のだらしなさはない。
 
 この三点から見えるのは、男性からも女性からも嫌われない細かい配慮である。「実験」「撮影」などの動きで日々の洗濯に対する所帯じみた感じをできるだけ排除しつつ、商品の機能を「発見」する面白さを伝える。はしゃぎ方も服装も、視聴者を突き放さず、かといって押しつけがましくもない、絶妙な距離感。「いいおとなが、かわいいって」と突っ込みどころもちゃんと用意されている。男性視聴者は、彼らのノリに軽く乗っかることで洗濯が気楽になるし、洗濯のベテランたちは「おうおう、やっておるのお。新商品、いっちょ、試してやるか」くらいの気持ちで見られるというわけだ。

 思えば、近年、LIONの『トップスーパーNANOX』の二宮和也、P&Gジャパン『アリエール』の生田斗真と、洗濯洗剤コマーシャルには男性タレントの起用が目立つ。

 この背景には、もちろん核家族化や共働き世帯の急増があるが、それ以上に「洗濯する男性を応援する企業である」ことをしっかりアピールしたい企業側の意図が感じられる。そのアピールは、応援される男性だけでなく、女性消費者にも歓迎され、結果、企業や商品の好感度はアップする。実際、『アタックZERO』CMは、女性層からの支持が圧倒的という。

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト