「(公開説教は)相手を見てやっています。みんなの前で叱っても平気なヤツもおれば、そういう教育を受けていないと落ち込んでしまうヤツもおる。
ただ、公開説教をされる選手は期待されていることが多い。まだ実力はないけど、育てないといけない選手ですね。木浪も重信もこれから主力にならなければいけない選手ですから」
その意味では、大エース・菅野にも容赦なしの原監督は異色だが、そこは“第3次政権”が実現したベテラン監督のカリスマ性ゆえにできることなのかもしれない。
ただ、達川氏は、“かつての指導法”では若い選手の育成が難しいことも率直に認める。
「球界でもゆとり世代の影響はありますよ。昔は試合中のミスに対し、手を出さないまでも、ベンチで“二軍に行くか、坊主頭になるか、どっちがいい”とやったものですが、今の時代は“もう一回、一から出直すか”という選択肢も付け加えないといけない。“一から頑張ります”と答えれば、それでその場を収めて翌日もチャンスを与える。それがパワハラだとソッポを向かれないためのポイントなんです。
練習中も“グラウンドから出ていけ、帰れ”と指導していたが、今は“しばらくグラウンドから出て、そこで見ておけ”と言うようになった。決して『帰れ』というワードは使わない。そして、“理解できたら練習に加われ”と言います。このように言葉を選んで指導している。昔のように鉄拳制裁ですべて終わりというのは楽だったが、今はいろんな意味で大変ですよ」(達川氏)