◆半年でスマホ決済は急増したが……
一方、ネットリサーチ企業のマクロミルが全国20歳から69歳の男女を対象にした調査では、利用している支払い方法の第1位は「現金」で97%でした。次いで「クレジットカード」75%、「銀行振り込み・引き落とし」38%、それに続いてSuica、PASMOといった「交通系ICカード」で37%、WAON、nanaco、楽天Edyといった「流通系ICカード」で34%でした。
LINE PayやApple Payなどの「スマホ決済」は19%でまだ少ないものの、2018年10月から2019年4月の半年で164%という急激な伸びは示しています。
◆スマホ決済ではPayPayが一歩リードだが……
こんな調査もあります。デジタルマーケティング事業を手掛けるナイルが4月23日から4月30日まで10代から60代以上の男女を対象に調査した結果によると、利用したことのあるQRコード決済サービスは、「PayPay」が18.2%で最も多く、次いで「楽天ペイ」の13.1%、「LINE Pay」の12.9%と続いているそうです。
PayPayの2019年3月期決算は、売上収益5億9500万円に対して、当期利益はマイナス367億8700万円と大幅な赤字になっています。ソフトバンクとヤフーは昨年の100億円還元キャンペーンに続いて、第2弾の100億円還元キャンペーンを実施し、さらに還元キャンペーンを継続して早期に400万人登録を目指すといいます。競合するLine Payやd払いなども、同様の還元キャンペーンを行っており、まるでチキンレースの様相を呈しています。
◆キャッシュレスで人との触れ合いもなくなる?
さて、実際に使ってみるとどうでしょうか。第1関門は、スマホ決済で必要なアプリをダウンロードして、登録を行うことです。
「いろいろなアプリを使っているので、これ以上、いろんな決済アプリをダウンロードするのは……」と話す若者がいたり、「ダウンロードまではできたんですけど、そこからの登録手順がなんだか分からなくて」と困っていたのは、ドラッグストアの50歳代の女性従業員です。いずれも「割引キャンペーンやっているので、興味あるのですが」と言います。
私も飲食店やドラッグストアなどでスマホ決済を利用してみたところ、中高年の従業員の人たちから、「使ってみてどうですか?」、「私でも使えるかしら」などと声をかけられることが多かったのには驚きでした。Tポイントやdポイント、Pontaポイントなどポイントが別に付けられる場合も多く、手間がかかるために、むしろ会話が弾むことが多かったのです。