「場所前、朝乃山は単身で豊田市の宮城野部屋の稽古場に出稽古に行っている。白鵬がわざわざ“稽古してみたい”と指名したことで実現した。これは白鵬がよく使う手で、マークすべき上り調子の若手力士が出てくると、場所前の稽古で土俵に叩きつけて恐怖心や苦手意識を植え付ける。
実際、朝乃山は2勝9敗とボロボロにされ、最後には張り手で脳震盪まで起こして土俵に倒れ込んでいた。ただ、注目すべきは三番稽古の最初の一番で、朝乃山が押し出しで勝ったこと。横審の稽古総見などでも“本場所の結果を占うのは最初の一番”というのが常識。稽古場での白鵬の張り手にビビっていないことが条件になるが、相撲勘の戻っていない横綱相手なら、十分に勝機がある」(相撲担当記者)
※週刊ポスト2019年7月19・26日号