◆認知症薬
認知症は根本治療薬がまだ開発されておらず、現状、用いられる薬は症状の進行を遅らせることにとどまっている。それゆえ新田さんは「正直、効いたかどうか非常にわかりづらいし、医師たちも藁をもつかむ気持ちで使っている」とため息をつく。
実際、フランスでは2018年の夏以降、効能が認められないという理由から保険適用から外れている。一方、日本では漫然と処方され続ける状況が続く。新田クリニック院長の新田國夫さんもこう警告する。
「もし、今使っているとしたら『量を減らして1~2か月ほど様子を見られないか』と医師に相談することをおすすめします。減らしても症状が変わらなければ、やめても大丈夫だということがわかる」
◆骨粗しょう症薬
1000万人を超える患者がいて、そのうちの80%が女性だとされる骨粗しょう症。50才以上の女性の4人に1人が患っているといわれ、多くの高齢女性が服用している骨粗しょう症薬はどうか。
「たしかに、のんでいる人が多いのに『骨粗しょう症が治った』という人はあまり聞かない。骨粗しょう症の原因は基本的に老化の過程なので治ることは少ないです」(長澤さん)
そのうえ厚労省のガイドラインでは、ふらつきや転倒のリスクも記載されている。
「患者さん自身ができる対応としては、日光を浴びることと散歩などの適度な運動。血中にビタミンDが生成されることで、骨が血中に溶け出すのを防ぐほか、骨に衝撃が加わることで健全に保たれる。
ただ、骨粗しょう症でいちばん問題になるのは腰や胸椎の圧迫骨折。それを減らすためには骨皮質を強くしなければならず、カルシウムを摂るだけでは難しいところがあります。薬を減らせるかは、主治医としっかり相談してほしい」(新田さん)
※女性セブン2019年7月25日号