番付が下がることのない横綱は、“引き際”を自ら決めなくてはならない。だからこそ、難しい。
32回の優勝を誇った横綱・大鵬は、1971年夏場所で引退。きっかけはのちに大関となる当時21歳の貴ノ花に黒星を喫したことだった。第58代横綱・千代の富士も、1991年夏場所の初日に18歳の貴花田(後の横綱・貴乃花)に敗れ、引退の時を悟った。この千代の富士と貴花田の対戦も、「初顔合わせ」の一番だった。今回も先場所初優勝の朝乃山との初顔合わせが控えている。
12年にわたって横綱として君臨してきた白鵬にも、「その時」は確実に迫っている。
※週刊ポスト2019年7月19・26日号