国際情報

亡くなったはずの岳父から携帯電話の着信があった理由は

着信表示に驚愕

 人の不幸にまでつけ込もうとする人間は残念ながらどこにでもいる。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 それは、夏にふさわしい、ゾッとする事件の幕開けだった──。中国の一部の地域では、死者を埋葬する際、お酒や硬貨、または故人とゆかりの深かった物品を一緒に埋める習慣がある。今回の事件の舞台となった江蘇省揚州市宝応県もまた、そうした習慣をもつ地方の一つだった。

 6月8日、『環球ネット』が伝えたニュースによれば同県に住む李さんは、昨年10月21日、岳父を亡くした。一族は、その日の午前中に埋葬を終え、李さんも家族と昼食をとっていた。そのとき、李さんの携帯電話がコール音を響かせた。李さんは何気なく画面に目をやったが、その瞬間、凍り付いた。画面に表示されていたのは、なんと岳父からの着信を知らせる表示だったからだ。

 李さんは同県の習わしに従い、岳父の埋葬に際し、岳父の愛用していた携帯電話も一緒に埋めていた。驚きはひとしお。しかし気を取り直して考えた結果、やはり親戚たちと一緒に墓地に戻ることにした。すると、案の定、墓の中は空っぽだった。

 事件は、若い二人の墓荒らしによって引き起こされたものだが、二人は墓の中にあった高価な「故人の愛用品」を盗んでは遊び歩いていた連中だった。なかには高価な腕時計などもあったというから、実入りは悪くなかったのだろう。

 そして李さんの岳父の墓を荒らし、そのなかに携帯電話を見つけたのだった。彼らはそれを売り飛ばす前に、携帯電話に残されたいくつかの履歴から番号を発信して遊んだと考えられている。その結果、警察に逮捕されることになってしまった。二人に下された判決は懲役7か月と1000元(約1万6000円)の罰金だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン