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元広島監督の達川氏「大型連敗の原因わかればノーベル賞」

4連覇に黄信号が灯った(写真/時事通信フォト)

 リーグ3連覇中の広島にとって20年ぶりの11連敗は「まさか」の事態だった。2017年にも14連敗を喫したヤクルト、昨年最下位の楽天ならば“戦力不足”と見ることもできるが、昨年最多勝のエース大瀬良大地(28)に主砲・鈴木誠也(24)と投打のキーマンは健在。2年連続リーグMVPの丸佳浩(30)が巨人にFA移籍したとはいえ、5月には球団新記録の月間20勝を記録していた。

 7月15日に連敗を止めたものの、連敗前2ゲーム差だった首位巨人とは12ゲーム差(7月18日終了時点、以下同)になり、5位に転落。リーグ4連覇どころかAクラスすら危ぶまれる状況だ。

 広島になにが起きていたのか。OBで元監督の達川光男氏に分析をお願いしたところ、「広島の連敗記録は1999年の13連敗。その時の監督はワシなんよ。取材相手を間違ごうとるんじゃないの」と苦笑いしながら、当時を振り返る。

「ファンからは“達川、クビじゃ”と野次が飛び、それでも勝てないから“今年はダメだ”“あきらめた”と応援すらなくなった。13連敗を脱出できたのは黒田(博樹)が8回まで無失点で抑えて9回に江藤(智)が決勝打を放ったから。連敗している時はエースと主砲が活躍するような勝ち方しかない」

 今季も連敗を止めた7月15日のDeNA戦は初回に鈴木が2点タイムリーで先制点を挙げ、常に試合の主導権を握り逃げ切った。

「11試合中8試合で先制点を奪われとる。チーム状態が悪いと、どうしても後手後手に回ってしまうんよ。おまけに歯車が噛み合わない。打順を入れ替えればチャンスで調子の悪い選手に回るし、ベンチが強硬策を指示しても裏目に出てしまう。チーム状態が悪いときほど、凡事徹底、基本に立ち返る。連敗脱出の打開策はそれしかない。

 大型連敗の原因? それがわかればノーベル賞ものですよ。もしわかるなら、もう1回監督やりたいくらい(苦笑)」

※週刊ポスト2019年8月2日号

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