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殺虫剤が効かないゴキブリが激増か 究極の撃退兵器は

 台所洗剤をゴキブリ撃退に利用している人は意外に多いようで、ネット通販アマゾンで販売されている花王のスプレー型台所洗剤『キュキュット クリア泡スプレー』のカスタマーレビュー欄には、「対昆虫決戦兵器」と題されたレビューが載っていて、ネットで話題になっている。〈本来の使い方とは違いますが、これ、驚くほど虫に対する戦闘力が高いです〉という書き出しで、対G決戦兵器としていかに優秀かが雄弁に述べられている。

『キュキュット クリア泡スプレー』は結構な遠距離まで泡状の洗剤を飛ばすことができ、撃っている途中で方向を変えることも可能で、ほぼ確実に仕留めることができるとか。〈私はこのスプレーを使いコバエを6、ゴキブリを1、蜘蛛を1仕留めました〉と戦果が報告されている。

◆台所洗剤でゴキブリが死ぬ理由を識者に聞く

 ところで、台所洗剤をかけると、なぜゴキブリは死ぬのか。昆虫の研究をしている京都府立大学大学院生命環境科学研究科の中尾史郎教授はこう説明する。

「昆虫は胸や腹の節にある気門という小さな穴から空気を吸っていて、体表面の板状の張り出しや毛で気門に水が入るのを防いでいます。実は台所洗剤だけでなく、片栗粉や小麦粉をお湯に溶かしたドロドロの液体をかけてもゴキブリは死にます。おそらく、粘性のある洗剤も同様に、気門を封鎖して窒息死させていると考えられます。洗剤に含まれる界面活性剤には水のように体表面にはじかれず、体表面を溶かすことや、体表面の毛を寝かしつけることで気門を塞ぐという効果があるのかもしれません」

 意外に難しい問題のようだが、台所洗剤がゴキブリを窒息死させるというのは事実のようだ。

 殺虫剤による駆除はゴキブリにとっての“毒”で殺す方式だが、なかにはその毒に耐性をもつゴキブリがいる。耐性のないゴキブリは殺虫剤で死に、耐性のあるゴキブリは生き残って子孫を残し、生き残りやすい性質が継承される。こうして毒成分に抵抗性のあるゴキブリが増えていく。つまり、ゴキブリが中途半端な量の殺虫剤を噴霧され、生き残った個体だけが子孫を残すことになり、これが問題なのだ。

 しかし、窒息死させるのであれば、耐性はできないのではないか。

「研究者は個々の『耐性』ではなく、子孫に遺伝する『抵抗性』に注目します。低酸素状態やガス交換が低減した状態での生命活動維持についての抵抗性は獲得しにくいと思います。酸素の吸入を止められて窒息しないヒトはいるのか、と考えればわかると思います」(中尾教授)

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