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2019.07.25 07:00  NEWSポストセブン

京アニ事件 「世の中捨てたものじゃない」と感じたつぶやき

アニメ制作会社「京都アニメーション」近くに新たに設置された献花台で手を合わせる人々(時事通信フォト)

 事件が起きた際、匿名で発言できることをいいことに「言葉」が暴走することは何度となく繰り返されてきた。だが、今回は様相が異なったようだ。コラムニストのオバタカズユキ氏が考察した。

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 社長のぐだぐだ会見がしょうもなかった吉本興業の騒動に、れいわ新選組とNHKから国民を守る党が予想以上の票を獲得したこと以外、注目すべき点を探せなかった参議院選挙。それら2つのニュースでいったん話題としては下火になったが、7月18日に発生した京アニの事件は、今なお多くの人々の心をざわつかせている。

 京都アニメーションの第1スタジオで火災が発生、建物が全焼し、34名もの死者を出すという平成以降最悪の放火事件。京アニは良質なアニメ作品を制作する会社として多くのファンに支持されており、事件の衝撃はとてつもなく大きく、深い悲しみの声、行き場のない怒りの声がネット上でも無数に発信され続けている。

 勤務中にいきなり煙と火に襲われて亡くなった犠牲者のことを思うと、アニメに疎い私でも胸がぎゅーっと締めつけられる。遺族の方々の気持ちを想像するとやり切れないものがある。事件の解明はこれからだが、犠牲者に対してはただ哀悼の意を表するしかない。

 その上で、今回の事件で気づいたことを申し上げたい。それはやり切れない事件の中で、かろうじて前向きに語れるネット上の反応のことだ。

 事件発生の翌日、いくつかの報道機関が、「犯人には精神疾患がある」といった旨を公表した。その記事を読んだ瞬間、私は「これはマズイことになる!」と身構えた。「精神病患の患者=危険人物」というイメージが瞬時に広まり、ここぞとばかりに精神障害者差別の嵐が吹き荒れると思ったからである。

 ところがそんな私の予想は、いい意味で裏切られた。ヤフーリアルタイムに「精神障害」「精神疾患」「精神病」などの単語を入れてツイッター検索しても、差別的なツイートがほとんど見当たらなかったのである。

 この件について言及しているツイートは、「精神病だということで犯人の罪が軽くなるなどしたら堪らない」という内容と、「精神疾患と犯行を安易に結びつけるようなことはしないでほしい」という注意喚起の2パターンで大半が占められていた。前者はともかく、後者の声があちらこちらであがっていたのは、嬉しい誤算だった。

 事件から5日ほど経ったこのコラムの執筆時現在、同じように検索をかけてみても、やはり精神障害者差別的なツイートはほとんどない。そのかわり、たとえば以下のような声があがっている。

〈京アニ放火犯に精神疾患があったと報道されているが、精神疾患を持つ人々のほとんどはこのような凶悪な犯罪を犯す事は無いという事を再確認せねばならない〉

〈精神疾患の方の凶悪犯罪について、パーセンテージが少ないから疾患と紐付けるのはちょっと…という人がいるけど、問題は疾患の有る無しに限らず、当人のリミッターが外れるまで放置せざるを得ない社会構造にあると思う〉

〈京都アニメーションの放火犯の名前が公表されましたね。あと犯人が精神疾患だったという報道がされている。これでは精神疾患の人は犯罪予備者と偏見を持たれてしまうと思う。精神疾患だから事件を起こしたのではなく、青葉真司だから事件を起こしたのだと思います〉

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