国際情報

飢餓状態の北朝鮮、国境警備隊が中国に越境し食糧略奪

北の核兵器の威力はこの10年で10倍になったとの推定も

深刻な食糧危機に見舞われている北朝鮮

 北朝鮮は深刻な食糧危機に見舞われており、朝鮮人民軍国境警備隊が越境して中国の民家などに押し入り食糧を略奪する事件が多発していることが明らかになった。中国側でも中国人民解放軍が警備を強化しており、両軍が戦闘状態になっているところもあるという。米政府系の報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 国連世界食糧計画(WFP)によると、北朝鮮は2017年までの数年間で年間550万トンの穀物量を安定的に確保していたものの、昨年は猛暑や洪水が重なったことから490万トンを割り込み、今年の北朝鮮の食料配給量が大幅に減少。北朝鮮では人口の3分の1に当たる850万人が飢餓状態に瀕しているという。

 事態を重く見た金正恩・朝鮮労働党委員長は災難用の備蓄米などの戦略物資を備蓄している「5号倉庫」を開けて、国民の配給に回したが、すでに枯渇してしまった。その後、30万人もの餓死者を出したといわれる1995年夏から1998年末までの約3年半の間にも開けなかった軍事備蓄用の「2号倉庫」も開放したというが、それもすでになくなりつつあるという。

 農村部では深刻な食糧不足で、少なくとも10万人もの餓死者が出ているとの情報も出ているほどだ。

 このため、北朝鮮指導部は物資を優先的に提供している軍に対しても食糧を供給するのは難しい状況で、1200kmに及ぶ中国との国境の警備を担当する北朝鮮の国境警備隊に対して、「1カ月分の食糧を自主的に解決せよ」との指示を出したという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン