「仮に年内総選挙になった場合、野党が国会で自民党に対抗できる勢力を得るには選挙協力が絶対条件です。自民党は参院選で勝ったと言っているが、比例代表の得票率は約35%でした。有権者の3分の1の支持にとどまっている。この水準は過去5回の国政選挙でほとんど変わっていない。少ない得票で最大の議席を得てきたわけです。
だから野党が協力して全小選挙区で自民vs野党の一騎打ちに持ち込むことができれば、自民党は30議席以上減らして公明党や維新を合わせても憲法改正に必要な3分の2を割り込む可能性は十分あります。前回総選挙の分析でも、野党が候補者を一本化していれば自民党が負けていた選挙区が60以上あった。逆に、野党が候補を乱立してバラバラなら勝負にならず、みすみす自民党に大勝を許すことになる」
安倍官邸が国民民主に秋波を送って野党分断を狙うのは、自民党が「最少の得票で最大の議席」を得るための選挙戦略でもあるのだ。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号