◆「海溝型地震」なら1m以上の津波も
東京女子大学の広瀬弘忠・名誉教授(災害リスク学)は、別の津波被害のリスクも指摘する。
「東日本大震災で、陸地や住宅の上に漁船が乗り上げた映像が記憶に残っている人は多いでしょう。東京湾でも、往来するタンカーや小型船が流され、会場を襲う危険性がある」
震源地が内陸でなく、陸地から離れた沖合で起きる「海溝型地震」の場合、津波はさらに広範囲に及ぶ。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がいう。
「セーリング会場の江の島ヨットハーバー(神奈川)がある相模港で地震が発生したら、選手やスタッフのいる場所には90秒後に、観客席にも10分程度で津波が押し寄せるとシミュレーションされています。
サーフィン会場の釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(千葉)では、大人でも立っていられない水深30cm程度から、死亡率が100%近い水深1m程度になるでしょう」
※週刊ポスト2019年8月16・23日号