「なぜなら、韓国社会では客観的な事実や科学が、国民扇動に負けた前例があるからです。2008年には、米国産牛肉の輸入再開決定をめぐり、韓国政府に対する大規模な抗議デモが起きた。この時、米国産牛肉を危険だと訴えていたのは市民運動家ばかりで、専門知識のある医師や科学者は『米国産を危険とする主張には根拠がない』と主張していた。でも、市民は専門家の言うことに聞く耳を持たなかったのです。
それから10年以上経た今、米国産牛肉を『危険だから』という理由で食べない人はいません。結局、デモに参加した市民は運動家に煽られたわけです。
今回の日本の輸出管理強化にしても、これまでの優遇措置を止めるだけで、輸出規制ではないという日本側の説明は、もはや韓国には届かないでしょう。日本側が何を言っても、韓国社会が許容できることしか聞いてもらえない状況は、慰安婦や徴用工などの歴史問題に通じるものがあります」
しかし、韓国では日本製品はあらゆる場面で愛用されており、それを買わない、使わないのは無理をしているようにしか見えない、と崔氏はいう。
「日本製品を使う人、買う人はまるで“非国民”扱い。日本製品を我慢するのは、“ぜいたくは敵だ!”“欲しがりません勝つまでは”のスローガンに通じます。まるで、戦時中の日本のようです」