ビジネス

アマゾン物流センターにジャーナリストが15年ぶりに再潜入

再潜入で見えたものは?

 スーパー、家電量販店、コンビニ……日本が築き上げた独自の小売りビジネスを、たった1社が呑み込もうとしている。いまやネット通販の枠を超え、「世界最大の小売り企業」となったアマゾンである。日本でも「アマゾンに業界が壊される」「行政が規制するべきだ」などの脅威論が叫ばれているが、その実態を知る者はあまりに少ない。かつてアマゾンに潜入取材したジャーナリストの横田増生氏が、再び内部に潜入。末端のアルバイトとして働くことを通じて、巨大企業の光と影に迫った。

 * * *
「とてつもなく大きくなったなぁ……」と気圧されるような思いに陥ったのは、2017年10月14日のことである。私がアマゾンの物流センター内部に足を踏み入れるのは15年ぶり。再度潜入した先は日本で一番大きな小田原の物流センターだった。そこでピッキング作業を開始したときの第一印象である。ピッキングとは、顧客が注文した商品を指示に従ってセンターの中から探してくる作業のこと。前回も同じだった。ただし、取り扱う商品は多種多様になった。かつてはほとんどが書籍だったが、今では、文房具から車用品、おもちゃや美容品まで、ありとあらゆる商品が、棚の中に詰め込まれていた。

 私が『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』を書くため、2002年の年末から約半年にわたり潜入したのは、千葉県の市川塩浜の海辺にある物流センターだった。2005年に書籍を出版したときまで、日本ではアマゾンジャパンに関するまとまった情報がほとんどなかった。私は約半年、アルバイトとして働きながら、物流センター内の作業工程や内部のレイアウト、人間模様などを細かく観察した。アルバイトの時給は900円で、契約は2か月ごとの更新という条件だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン