イベントでも独特の存在感を放つ

 その後2つの俳優養成所に通うが、劇団員にはなれなかった。佐藤は仕方なく「役者の適性がない」と諦め、広告会社の営業として働き始める。だが、営業成績でトップをとっても、抱き続けた夢を捨て去ることはできなかった。27歳で養成所時代の仲間と演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げ。仕事を終えると背広姿のまま稽古場に直行し、脚本と出演の両方をこなした。

「ビッグマウスを承知で言えば、この頃も、僕が世に出たら楽しめる人がたくさんいるはずだと本気で考えていました。でも、現実はそんなに甘くないことも知っています。20代は心がボロボロで辛かった。二度と戻りたくない暗黒の時代です(笑い)」

 その後しばらくして演出家・鈴木裕美に誘われ、劇団「自転車キンクリート」に入団する。大きな転機は31歳で訪れた。演出家・堤幸彦の目に留まり、ドラマ『ブラック・ジャックII』に無名の医師役で出演してから、少しずつ活躍の場が増えていった。

 6月に公開された、岡田准一主演の映画『ザ・ファブル』は大ヒットを記録。現在は吹き替えを担当したディズニー映画『ライオン・キング』が公開中だ。吹き替えに挑戦するのは5度目となる。

「主人公のライオンと友達になる、イボイノシシの役です。芝居と違って、声だけで勝負するのは何度やっても難しい。吹き替えと芝居は全く別物ですね」

 役者の域を超えたマルチな顔も持つ。映画『memo』(2008年)、『はるヲうるひと』(公開日未定)では監督・脚本を担当。レギュラーでクイズ番組のMCも務める。俳優養成所で出会った妻とは結婚して17年になり、7歳の息子を持つ父親でもある。6月には、最も素敵な父親に送られるベスト・ファーザー賞を受賞した。

異色の俳優ぶりを見せる

異色の俳優として人気

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