国内

N国とナチス党の選挙運動に類似点 舛添要一氏が指摘

参院本会議場で着席するNHKから国民を守る党の立花孝志参院議員(時事通信フォト)

『ヒトラーの正体』(小学館新書)を上梓したばかりの舛添要一氏が「NHKから国民を守る党」(以下N国)について、ナチスとの関連を指摘したツイートが物議を醸している。N国党首・立花孝志氏本人からも即座に抗議の返信も寄せられた。舛添氏がその真意を述べる。

 * * *
〈1921年にナチス党の党首となったヒトラーは、街頭活動のとき対立する政治勢力から自分を守るためにSA(突撃隊)を組織するが、SAは「敵陣の攻撃にも出かけ、恐れられていく」(拙著『ヒトラーの正体』より)。MXテレビに押しかけるN国の立花党首やその信奉者たちと二重写しになる。笑い事ではない〉

 8月20日午前に上記のツイートをしたところ、すぐにN国の立花孝志氏本人から、〈舛添様 はじめまして 私にはヒトラーのように国をまとめる才能があるとお考えなのでしょうか?(後略)〉とのツイートが返信欄にかえってきました。

 まさか本人から返信があるとは思っていませんでした。なんといってもリアクションが早い。これは「泡沫候補」と呼ばれながらも、SNSを活用し、先の参院選で議席を獲得した立花氏ならではのものでしょう。メディアも通さず、直接SNSで反論できる。政治も新たな時代に入ったことを実感しました。

 同時に彼の支持者や信奉者と見られるユーザーからも、続々とツイートが寄せられています。立花氏を、ヒトラーにたとえるのはおかしい、レッテル貼りだ、といった内容です。

 誤解されているようですが、私は、立花氏自体(つまりは主張や性格)がヒトラーと似ているだとか、彼が独裁者になりうる、と言いたいわけではありません。立花氏が自ら言う通り、彼に「国をまとめる才能」があるとも思っていません。さらに言えば彼らに、ナチスがユダヤ人を攻撃したような排外主義的ナショナリズムを感じるわけではありません。

 ただし、ナチスが政権を奪取する過程で見せた選挙運動との類似については、思うところがあります。ヒトラーは、ホロコースト(ユダヤ人虐殺)が後世の人々に記憶されていますが、政権奪取前、「ヴェルサイユ条約をぶっ壊す」という主張を繰り返し、民衆の支持を得ていったという過程があります。(同条約は、第一次大戦の敗戦に連合国側と結ばれた講和条約で、多額の賠償金と再軍備の禁止を課すものです)

「NHKをぶっ壊す」──これが立花氏の主張です。唯一の主張です。一見、政治家としての引き出しが少なく見えます。でも違います。こうしたワンイシューを繰り返すことで民衆の脳裏に刷り込んでいく手法を、ヒトラーはとても自覚的に行っていました。ヒトラーは『わが闘争』のなかで、「大衆の受容能力は非常に限られており(中略)効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、そしてこれをスローガンのように利用し(中略)最後の一人にまで思い浮かべることができるように継続的に行われなければならない」と断言しています。

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン