馬単の万馬券は、けっして穴馬どうしの決着ばかりではなく、半数以上のレースで1~3番人気馬が絡んでいる。もちろん人気薄の馬が爆走したレースが多いのだが、1~3番人気の馬が勝って万馬券になったケースも4回に1回ほどある。ただし、1、2番人気馬が勝った場合の相手はかなり人気薄ばかりになるので、相手関係を絞るのはなかなか難しい。
しかし、3番人気馬が勝った時は2着が4番人気、4番人気馬が勝った時は2着が3番人気でも馬単の万馬券が出ている。ふだん馬連やワイドの流し買いがメインで、軸馬が3~5番人気だった時、資金に余裕があれば馬単も買っておいてはどうだろう。相手が5、6番人気でも万馬券になることがあり、けっこう得した気分になる。圧倒的な1番人気馬を軸にして馬単を買う人がいるが、配当が馬連とあまり変わらないことが多い。むしろ人気のない方を頭に固定し、リスクヘッジのつもりで馬連を買う方が効率的。
一方、三連複は、現在でも売上の20%ほどを占めている。およそ3レースに1回は万馬券、そのうち4割は3万円以上の高配当になっている。
3万円以上の配当の時でも、3分の2は1~3番人気馬が1頭は絡んでいる。だから闇雲に人気薄ばかりを買う必要もないが、1~3番人気馬が2頭絡むことは稀。三連複で大きい馬券を狙うなら、当てたい気持ちを抑えなければならない。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
※週刊ポスト2019年9月6日号