中川:でも山田さんだって連載エッセイで、夫のヒロくんが49歳から50歳になったって幸せネタだけで1本エッセイ書いて不特定多数にのろけちゃってるじゃないですか。
山田:私が結婚した夫と仲よくやってるって話? だって可愛いんだもん。まあ友達にアピールしてるという意味では、SNSより私の方が迷惑かもしれないな(笑い)。
中川:まあ、でもそれも山田さんの“技”でございますね。
嶋:でも最近はSNSでスターになるより、フォロワーでいて自分の好きなことやっている方が人生は幸せじゃん、っていう流れが来てますよね。そういう広告もありますし。
山田:わかる気がする。SNSとかに詳しい人に限って、あんまりネットを過信するのはやめようよって方向に行ってますよね。
中川:俺はやめようとしてませんけどね!
山田:あなたはどうぞやってちょうだいよ(笑い)。でもまあSNSってツールが新しいから便利に見えるだけで、あんまりそれ自体を過信しない方がいいと私は思います。
【プロフィール】
◆山田詠美/やまだ・えいみ。1959年東京都生まれ。作家。1985年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞し作家デビュー。1987年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞を受賞したほか、数々の文学賞を受賞。最新作は『つみびと』。
◆中川淳一郎/なかがわ・じゅんいちろう。1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務に携わる(2001年退社)。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。
◆嶋浩一郎/しま・こういちろう。1968年東京都生まれ。1993年博報堂入社。企業のPR業務に携わる。2001年朝日新聞社に出向し「SEVEN」編集ディレクターに。2004年「本屋大賞」立ち上げに参画。2006年「博報堂ケトル」を設立。2012年「本屋B&B」を開業。
撮影/政川慎治
※女性セブン2019年9月12日号