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韓国によるスポーツの政治利用 国際社会に理解広がらず

ロンドン五輪での座り込み(写真/EPA=時事)

〈東京オリンピックをボイコットせよ!〉──スポーツに「政治を持ち込まない」というのは良識ある先進国の常識だが、隣国には通じないようだ。

 8月28日、日本政府が韓国を“ホワイト国”(輸出優遇国)から除外した後、韓国では「東京五輪不参加」を求める世論が沸騰している。青瓦台(大統領府)のHPでは一般国民からボイコットを求める請願が始まり、韓国与党「共に民主党」所属のシン・ドングン議員は「積極的に検討する」と発言した。

 一連の風潮に心配を募らせているのは北海道大学国際政治学教授で日本安全保障貿易学会会長の鈴木一人氏だ。

「2018年平昌五輪でアイスホッケーの南北合同チームを結成したように、韓国は五輪を政治イベントとして利用します。今のところ、韓国当局はボイコットしない意向を表明していますが、日韓問題が長期化・ドロ沼化すれば、日本が最もダメージを受ける手段だと判断して、韓国が五輪不参加を選ぶ可能性はゼロではないでしょう」

 開催国にとって不名誉となる五輪ボイコットを実行し、強い抗議の意を示した例は過去にもある。1980年のモスクワ大会では、米国の要請を受け、日本や韓国を含む西側諸国50か国以上がボイコットに参加した。

 だが、スポーツジャーナリスト・谷口源太郎氏は「当時とは状況が全く違う」と話す。

「モスクワ大会は、冷戦体制下で米ソが激しく対立するなか、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するために米国のカーター大統領が呼びかけ、多くの西側諸国が同調して実行されたものです。逆に言えば、当時のように、“戦争状態でスポーツどころではない”という事態でもない限り、ボイコットへの国際的な理解なんて広がりません」

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