国内

がん検診、放射線医や病理医不在の施設は見落としリスクも

がんの5年生存率は毎年上昇している(写真/PIXTA)

「がんはもはや治る時代」──これは食道がんと舌がんの手術を受け、現在も闘病中の堀ちえみ(52才)がブログに綴った言葉だ。確かに、毎年がんの5年生存率は上昇し続けている。しかし、その数値は病院によってかなりのばらつきがある。国立がん研究センターが行った大規模調査をもとに、女性がなりやすいがんの生存率の高い病院を独自集計した。

 国立がん研究センターが8月8日、「病院選び」に大きな影響を与えるデータを発表した。『2009-2010 年5年生存率集計報告書』と題されたレポートだ。2009~2010年に、全国のがん治療の拠点病院など277施設でがんと診断された患者約57万人を追跡し、乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、肝臓がんなど11部位のがんについて、がんの進行度(ステージI~IV)ごとに「5年生存率」を集計したものだ。同報告書をまとめた国立がん研究センター・がん登録センター長の東尚弘さんはこう話す。

「データをまとめたのは、医療機関にその治療結果を振り返り、参考にしていただくのが主な目的です。進行がんや高齢の患者さんが多い施設では、結果として生存率が下がる傾向があります。ですから直接的に“生存率が高いほど治療技術が高い病院”とはならないことを念頭において、データをご覧いただきたい」

 今回、女性の罹患率や死亡率が高い「乳がん」「胃がん」「大腸がん」について部位別に生存率が高い医療機関をランキング化した。自身や大切な人ががんになった時、病院選びの一助としていただきたい。

◆いちげんさんとリピーターで扱いが違う

 もちろん、どの病院でがんを治療するかは大きな問題だが、それとともにいかにがんを早く発見するかも重要だ。がんで死なないために何より大事なことを、『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ!』(さくら舎)の著書がある医師の近藤慎太郎さんがあらためて言う。

「公表されたデータからもわかるように、がんは、進行してステージが上がるごとに明らかに生存率が下がっていく病気です。早期発見が大事になりますが、そのためには定期的な検診・検査を受けることが欠かせません」

 賢いがん検診の受け方を指南してくれたのが医療ガバナンス研究所の理事長で医師の上昌広さんだ。

「がん検診こそ、どこで受けるかが何よりも重要です。というのも、がんには胃がんや肺がんなど画像診断で見つけるもの、さらに生検といって組織を採って調べるものがあるのですが、せっかく受けても1~2割が見落とされるといわれます。

 つまり、読影の専門家である放射線医や病理医がいる施設で診てもらわないと、見落としのリスクがつきまとうのです」

関連記事

トピックス

福井放送局時代から地元人気が高かった大谷舞風アナ(NHKの公式ホームページより)
《和久田麻由子アナが辿った“エースルート”を進む》NHK入局4年で東京に移動『おはよう日本』キャスターを務める大谷舞風アナにかかる期待
週刊ポスト
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院》フジ初主演ドラマの撮影延期…過密スケジュールのなかイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
女子児童の下着を撮影した動画をSNSで共有したとして逮捕された小瀬村史也容疑者
「『アニメなんか観てたら犯罪者になるぞ』と笑って酷い揶揄を…」“教師盗撮グループ”の小瀬村史也容疑者の“意外な素顔”「“ザ”がつく陽キャラでサッカー少年」【エリート男子校同級生証言】
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン