実際、検診・検査によるがんの見落としは後を絶たない。2018年4月に東京・杉並区の病院で肺がん検診の見落としにより発見が遅れる医療事故が起きているほか、同年8月には北九州の病院でも同様の見落とし事故が確認されている。
日本医療機能評価機構によれば、2014年から2017年までの約3年間だけで、32件のがんの見落としがあったという。がんそのものの治療はもちろん、その前段階の検診・検査も病院の質や医師の腕によって大きく変化するのが現実なのだ。
さらに、先を見据えた裏技的な検診の受診術を上さんが明かす。
「精鋭のスタッフがそろった、いい病院を探しておき、そこで定期的にがん検診を受けておくと、いざという時に役立ちます。医療機関側としても自分のところに何回も通ってくれている患者さんは、自分の病院で手術したいと思うものだからです。いわゆる“いちげんさん”と“リピーター”では、どうしても扱いに差が出てきます」
家族にがんの履歴がある人などは、ランキングの中から“これぞ”という病院を探しておき、定期的に検診を受けて来院を重ねておくのも、1つの方法かもしれない。
2人に1人がかかるといわれ、「不治の病」ではなくなった、がん。だからこそ他人事にはせず、いざという時のために備えておきたい。
【ランキングの見方】
国立がん研究センターが集計した全国277病院における、乳がん・胃がん・大腸がんのステージ別の5年生存率を掲載。本誌ではデータの多い患者数100以上の病院に絞った。その中で、ステージI~IV全体での5年生存率が高い順でランキングを作成。100位より下は掲載していない。
※記載しているのは2009~2010年当時の病院名。
※生存率は、対象となった患者数が30人未満の場合は「―」表示。
※「患者数」には、その病院で初めて診断された患者もいれば、再発やセカンドオピニオンで訪れた患者の可能性もあり、重複を含む。
※女性セブン2019年9月19日号