スポーツ

白鵬に立ちはだかる一門制度の壁、引退後に一大勢力を築けるか

日本国籍を取得した白鵬(写真/共同通信社)

 9月3日付の官報の告示により、横綱・白鵬が日本国籍を取得したことが明らかになった。優勝42回、通算1132勝、横綱在位73場所など、数々の歴代1位記録を持つ白鵬だが、日本国籍を取得していない状態では、協会の規程により親方になれない。帰化したことで、協会が定める年寄名跡襲名の条件を満たしたのである。

 当日、朝稽古を終えたところで報道陣の取材に応じた白鵬は、「18年間、相撲一筋でやってきたことが、今日につながった」と感慨深げに語った。それもそのはずである。

「白鵬は2020年の東京五輪まで現役を続けて開会式で土俵入りすることを熱望してきたが、“宿願”はさらにその先にある。引退後、協会内で一大勢力を築くための準備を着々と進めてきたのです。

 所属する宮城野部屋では内弟子として炎鵬(前頭11)、石浦(前頭15)、大喜鵬(三段目)を抱え、さらに今年に入って自ら主催する小中学生の相撲大会である『白鵬杯』で優勝経験のある211kgの當眞(とうま。序二段)、母がモンゴル人の千鵬(せんほう。序ノ口)もスカウトし、ジュニア世代の囲い込みにも余念がない。日本国籍取得の手続きによって、いよいよ準備が整ったかたちです」(協会関係者)

 引退後の協会内で白鵬を中心とする勢力がどう広がっていくのか、カギとなる一つが「一門制度」の存在だ。現在、所属する宮城野部屋は“弱小”の伊勢ケ濱一門。歴代理事長を輩出してきた“本流”の出羽ノ海一門と二所ノ関一門の親方衆のようにはいかない。

「現在の八角理事長(元横綱・北勝海)が弱小の高砂一門ながらトップに立てるのは、出羽ノ海一門と二所ノ関一門の後ろ盾があるから。それも、元貴乃花親方の影響力拡大に対抗するために結束した結果です。そうしたなかで白鵬としては、同じ外国出身の親方衆とのつながりを活かしていく考えがあるとみられています」(ベテラン記者)

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト